私たちの想い

障害を、特別なことと捉えるのではなく、その人の個性であると捉えます。
 

 
 
 
 
 
 
 
 

いんば学舎の詩 

『想い』

 
木々の緑 草の緑 日ざしの温かさ
そよ風の優しい香り 力強い土の匂い
そこには自然があふれている
抱かれるように建つ木で作られた舎(いえ)
 そこに暮らす人々年寄りもいる 青年もいる 男も女も
歩くことも手を使うことも自分ではできない人もいる
言葉を話せない人も物忘れをすぐしてしまう人も
力持ちの人 優しい気持ちをいつも持っている人
笑顔の素敵な人 いつも自分に正直な人
記憶力抜群な人 決して人を裏切らない人…
 
 そこでは 今生きている事実を
今ある姿そのものを認め合い大切にする
 そんな人々を包みながらゆっくりと季節が流れていく
 
冷たい風に身を震わせる 冬
新緑の中からいのちの鼓動が伝わる 春
照りつける太陽に自然の厳しさを感じる 夏
実りの中に自然と命の豊かさを確認する 秋
 
それらの季節の中で 集う人々は季節に合わせて暮らす
 積み重ねた月日と今ある生活に胸を張る
それらが関わってきた人々の精一杯の努力によって創られたものだから
 集うものみな 舎に生きる自分を確かめるために
今日もいんば学舎に 共に暮らす

社会福祉法人印旛福祉会

いんば学舎 『概要』
 

 
 
 
 
 
 
 
 

障害を、特別なものと捉えるのではなく、その人の個性であると考えます。
そもそも人は皆等しい存在であり、いま生きている事実を、いまあるその姿そのものを認め合うことです。だから私たちは、『共に』農作業を通じた生活創りをコンセプトとしています。

 

私たちには「農業」があります。

 寄り添うことだけが、福祉の仕事ではない。私たちはそう断言できます。なぜなら私たちは2町歩(ちょうぶ※1町歩は約3000坪)もある畑をもち、そこで障がいのあるメンバーと一緒に農作業をし、お米や大豆・卵を作っているからです。草を刈り種を蒔き、空を眺め天気を読む。1人では決してできない仕事を一緒にやるからこそ、収穫が待ち遠しいという気持ちも共有できる。そんな毎日だからこそ、同じ目線でモノを考え、笑い合える。「やってみれば、できる」ことが農業にはたくさんあり、福祉や生活支援という視点からもプラスになることばかり。農業を通じてお互いを認め合えるのが、いんば学舎の最大の特徴です。
 

農作業生活支援になります。

 
大根などの根菜類は土の上から葉っぱしか出ないので、引っこ抜いてみるまでうまくできているかがわからないのが実は楽しい。これは障がいの有無に関わらず、みんなが楽しみにしていることのひとつです。だから、大根の葉が色づきそろそろ抜く段階になると「ボクが抜く!」、「私が一番!」と大根の前に行列ができることも。野菜はあますことなく使えるものが多いので、ほうれん草を乾燥させお菓子作りをみんなでチャレンジすることもあり、何らかのキッカケで新しいことに挑戦できるのも農作業ができるメリットのひとつです。農作業が確実に生活支援となる事実が、ここにはたくさんあります。
 

『えっ!農業?』と思っていた先輩も、ハマっています

 
私たちには農作業があるので、みんな、自然と足が外に向かうようになります。そしてこの農作業は決して真似事ではなく、近隣のスーパーで販売したり、施設で販売するほどのものなので、近所の農家の方にお話をお伺いし『なるほど。窒素が土に多く含まれていると、葉物しかできないのかぁ』といった知識がドンドン身につきます。どんなことでもそうですが、知れば知るほどその世界にハマっていくのは農業も一緒。福祉と農業のダブルスキルを身につけながら、障がいのあるメンバーのことを深く知っていくのは、なかなかどうして楽しいものです。『えっ!農業するの?』と思っていた先輩たちも、いまでは泥まみれになることを気にしていませんよ。

社会福祉法人印旛福祉会

いんば学舎 『概要』
 

 
 
 
 
 
 
 
 

障がいの程度・内容に関わらず、 全ての子どもたちが教育を受ける権利を獲得したのは あなたが生まれるだいぶ前の1979年のこと。 この年に養護学校の義務化が完全実施されました。 

それから10年後の1989年4月、 印旛村松虫にあった村立小学校分校跡の校舎を運良く与えられ、 いんば学舎を開設。 障がいの克服と自立という考えではなく、 等しい存在として共に生活をしていく日常を創りあげることを主眼としました。 

1995年4月に 「精神薄弱者更正施設・いんば学舎」(現在のいんば学舎・松虫)として 認可を受け運営開始。 重度の障がいを持っていても家庭から通える、 農作業を生活の柱に据えた場ができたのです。 この施設が認可された後、千葉ニュータウンの居住人口が増え、 この1つの施設だけではまかなえなくなり、 1999年4月に2つ目の生活の場である「いんば学舎・草深」を開設。 松虫同様、ここでも農作業や養鶏、野菜作りに取り組み始めました。 

この2年後の2001年には築45年を過ぎ、 至る所に傷みがひどくなってきたた松虫の舎屋を建て替え、 現在のいんば学舎・松虫の名前に変更。 

2002年4月には「地域生活支援センター 一歩」、 
2006年4月に「ケアホーム 花梨」、 
2006年10月に「いんば障害者相談センター」、 
2007年6月に「ケアホーム 楓」、 
2008年5月に「ケアホーム なでしこ」を開設。 
さらに2007年5月には就労支援施設である「いんば学舎・オソロク倶楽部」をオープン。 ここは松虫や草深で収穫した食材を活かしたイタリアンレストランで、 障がいを持つメンバーがホールスタッフを担当し、お客様をもてなしています。 

少子化が進んでいるものの、特別支援学校の生徒数は増加し、 特に車椅子を必要とする人々が通える施設の整備は このエリアでは深刻な問題となっており、 
2013年6月に「いんば学舎・陣屋」を開設。 
2009年4月に「いんば学舎・岩戸」を開設したタイミングで 「地域生活支援センター一歩」と「いんば障害者相談センター」を統括し、放課後デイサービス「ほっぷ」の運営を開始。 
2014年4月には印旛郡栄町が運営していた事業を引き継ぎ、 「児童発達支援センター安食」を開設。 障がいを持って生まれた時も、 親御さんが亡くなった後の生活の時も、 障がいをもつメンバーと私たち職員は一緒になって考えて、 悩み抜いて、喜び合って、共感しながら生活をしています。 

ただ、私たちが持つ施設はどこも定員が上限に達しており、 この地域の方々のニーズや今後の人口増、 現在のメンバーの年齢上限が40代という事実を考えると 彼らの20年後を支える施設がまだまだ必要です。 今後3~5年以内に宿泊訓練施設や通所、介護などの施設を作っていくためにも、 こうして初めて公募による新卒採用をスタートすることになったわけです。そして最近では、2017年6月 「グループホーム辛夷」「グループホーム金木犀」「短期入所杏」を開設することができました。
 
2018年6月 「グループホーム姫沙羅」開設
2018年12月「ふれあいサポートセンターいんざい」開設
2020年8月 「いんば学舎・花かご」開設
2021年4月 「いんば学舎のアトリエ(THE GREEN内)」OPEN